一晩のストーリー

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板チョコみたいなドアを開ける。 嗅覚を撫でる、香ばしい匂い。 「おかえりなさい」 愛する妻と、大好きな息子が迎えてくれる。 「ただいま」 リビングのテーブルには、ご馳走が並んでいる。 ど真ん中に、でっかい七面鳥。さっきの匂いの正体は、これか。 「美味そうだなぁ」 七面鳥の隣のフライドポテトに手を伸ばしかけた時 「パパ、手洗わなきゃダメだよ」 「はは、そうだったな」 息子に怒られてしまった。 逸る気持ちを抑え、手を洗い着替えを済ませる。 テーブルで2人が待っている。 「いただきます」 腹が減ってはなんちゃら…と言うし、たっぷり堪能するとしよう。 家族と、とりとめのない話で笑い合う。 幸せな一時。
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