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よ-くよく目をこらして見つめると、部屋の窓の外に、女の人がいました。
細身の髪の長い女の人。
こちらを見つめ、微笑んでいました。
始めは怖いとも思わず、チラチラとその人を見ながら食事をしていたのですが、急に背筋がゾクッとしました。
そして恐々その女性の方を見ると、
先程と同じ様に微笑んでこちらを見ていたのですが、
その微笑みが『憎い相手をやっと見つけてうれしい』といった感じの笑いに変わっていたのです。
アタシは震えが止まらなくなりました。かと言って、食事を終えて向こうの部屋にも行けません。(その部屋は家族団らんの部屋だったので、いつもは、食事が終わるとその部屋に行き、テレビを見たり、風呂上がりに皆が集まったりしてました)
そんなアタシの変化に祖父が気付きました。
「どうした?お腹痛いのか?」
心配する家族に、アタシは思い切って言いました。
『…あっちの部屋の窓の外に、お姉さんが立ってこっちを見てる』
その言葉に驚いた祖父は、慌てて外に出て、辺りを見回りに行きました。
父や祖母(母は離婚していないので)も窓際に行き、祖父と話ながら辺りを見ています。
「誰もいないぞ~」
祖父の言葉に父と祖母も安心していました。
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