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…知り合って間もない、お前を欺いた女を許せるのに。
長年の友は、許せないのか。
ここにある、この差はなんだ?
関係?距離?信用?
信用だとしたら、凄く悲しいと感じる。
「…許しなんかいらねえよ。」
和樹を見ずに、俺は自分の足先を見つめた。向かい合うのが、怖いのかも知れない。
「俺は、あんな女、好きじゃない。」
「お前があの女に惚れてるから、抱いたんだ。」
唖然とする顔。
それを後目に、俺は逃げるように屋上を後にした。
空には、そんな俺と正反対な程に澄みきった、綺麗な青が広がっている。
純粋で、綺麗な青。
雲一つない空のキャンバスは、和樹にそっくりだと思った。
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