4/4
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
…知り合って間もない、お前を欺いた女を許せるのに。 長年の友は、許せないのか。 ここにある、この差はなんだ? 関係?距離?信用? 信用だとしたら、凄く悲しいと感じる。 「…許しなんかいらねえよ。」 和樹を見ずに、俺は自分の足先を見つめた。向かい合うのが、怖いのかも知れない。 「俺は、あんな女、好きじゃない。」 「お前があの女に惚れてるから、抱いたんだ。」 唖然とする顔。 それを後目に、俺は逃げるように屋上を後にした。 空には、そんな俺と正反対な程に澄みきった、綺麗な青が広がっている。 純粋で、綺麗な青。 雲一つない空のキャンバスは、和樹にそっくりだと思った。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!