心情

2/4
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
和樹は、最後の俺の言葉が気掛かりらしく、俺と話し合いたいと言っていた。 対して俺は、話をする事を拒絶し、和樹との接触を、ただひたすら避けた。 理由は、自分でもわからないからだ。頭の中がぐちゃぐちゃだった。 同性に抱く友情と、相手が自分より劣っているという優越感。 汚い事を考えている自分に対する劣等感。 一番近くにいた親友を、ぽっと出てきたような女に取られたという、独占欲。 凄まじく自分の中が黒く、汚く、よどんでいるのが解る。 澄みきった和樹には、見透かされる気がして、凄く嫌だった。 自分でも自分を制御できない。 ただ、解決を求めず、問題を後回しにする。 根本的解決に繋がらないとわかってはいながらも、俺はただ、和樹から逃げた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!