絶交

5/5
前へ
/20ページ
次へ
「……ごめん。」 それ以外にも、探せば言うべき言葉はあっただろう。 だけど、何を言えばいいのか。 なにか誤魔化す必要があったのか。 あの女と俺の間に。 和樹が、力なく俺の襟から手をはなす。 「金輪際俺とエリカには近付かないでくれ。」 和樹は泣かなかった。 昔のこいつなら、絶対に泣いてたのに。 「絶交だ。」 ずっと小さい頃から、和樹の事を知っていた。 和樹は、こんなにも変わり果てていた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加