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「琢磨ぁー、和樹と喧嘩したの?前は凄く一緒にいたのに。」
俺に甘える彼女の、無神経な言葉に苛立った。
今現在、一番触れて欲しくない話題だ。
「……ごめん。」
俺の顔を見て直ぐに謝る。
何故か俺が悪い様な気分になった。
何もかもに腹がたつ。
あの件以来、和樹は同じクラスなのに殆ど見ていない。
学校に来てはいる。だが俺との一件のせいか、和樹は彼女を束縛するように、他クラスに入り浸っている。
だけど、それは同時に俺を避けてるのだろう。
無性に腹がたつ。
悪いのは、確かに俺だ。
だけど、俺の誘いに乗る乗らないは本人の決断だ。
それ以上に、長年の親友より、最近できたような彼女を許せるのか。
「っくそ!!」
彼女を振り払い、席を立つ。
わかってる。
最初に裏切ったのは俺だ。
俺自体、何故あいつにこうも執着するのかわからない。
だけど……。
だけど、あいつは俺がいないと無理だと思っていたのかもしれない。
そう言って欲しかったのかも知れない。
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