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―序幕―
一人の青年が、紅き龍と向かい合っている。
青年は黒く、禍々しい鎧で頭以外を覆っている。
両手に構える大剣も漆黒。
頭部以外は、暗黒に呑まれているかのようだ。
青年の後ろには三人、その全てが倒れている。
場所は火山。その奥地。
人はそこを[決戦場]と呼ぶ。
その名の通り、退路は一つしか無く、その退路もすぐに抜けられるものでは無い。
さらに、そこには二筋の溶岩流。
入浴すればたちまち体は焼け、溶けるだろう。
そんな孤立しきった場所で龍と青年は向かい合う。
と、突然龍が超高空へと飛翔する。
高く、ひたすら高くまで飛び、一息入れ、急降下し、青年に向かって高速で滑空してくる。
青年も空高くまで跳ぶ。
大剣を肩に掛け、落下する。
紅き龍と青年が衝突する……。
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