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四人は宿屋の玄関に立っていた。
宿屋とは名ばかりで、実際は一軒の空き家でしかない。
村長曰く、そこが一番良い家だそうだが、窓の立て付けが悪く、窓を閉じる事が出来ず寒い。暖炉が無かったら確実に風邪を拗らせる様な家である。
既にポッケ村には到着しており、準備も終わり、後は明日に備えるのみとなっていた。
「思ったより早かったな」
まずカノンが言った。
「あぁ、蒼鬼が存外早く立ち回ってくれてな。ホットドリンクと砥石と」
「各種弾丸と素材を買ってきた」
「ありがとね、蒼鬼」
煉と蒼鬼、エトナの三人で再度買い出しをしていた。
カノンは道具屋を覗き、[ちょっとした物]を買う程度しか時間を掛けなかった為、先に居た。
そうして彼等は明日に備え早めに夜を越した。
翌朝、カノンは最初に目覚め体を伸ばした。
冷たい風が肌を撫で、自然と目が覚める。
昨日購入した物をポーチに入れ、全員を起こしに掛かる。
そして三人も目覚め、武器の手入れを行い、山を登り始めた。
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