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「そろそろ頂上だな……」
煉が呟いた。
三人は山の頂上付近を走っていた。
その周囲は豪雪で三米先も見えない。
これは[クシャルダオラ]が発生させる現象であり、この付近に獲物がいることが解る。
「どこにいるのかな…」エトナが言った。
「…探すまでも無いようだな…」
蒼鬼が呟いた時、一瞬雪が止んだ。
三人のほんの十米ほど前に鈍いいぶし銀の輝きを放つ甲殻に身を包んだ龍……鋼龍クシャルダオラが三人を見据えていた。
三人は半ば本能的にそれぞれの武器に手を伸ばしていた。
蒼鬼は龍弓[日輪]に。
エトナはテイルストリングに。
そして煉は双剣[紅蓮双刃]に。
そして最も早く構えた煉が叫んだ。
「行くぞ!」
その瞬間また吹雪が現れ、鋼龍が吠えた。
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