―第一幕―

10/10
前へ
/86ページ
次へ
風翔龍を討伐した四人は暗くならない内に下山を開始した。   「なぁ、さっきのい目はなんだったんだ?」煉はカノンに聞いた。 胸に支えて離れない素朴な疑問を。   「ああ……あれはだな、その……」 「何だ、はっきり言え」 「まぁその、アレだ!何でフルフルがこんな所にいたんだろうな?」 「はぐらかすな!え?フルフル?」 「ああ、何だ、気付かなかったのか?」 カノンが若干呆れた風にそうに聞いた。   「悪いか?まぁ確かに何で今いたんだろうな?」 煉もふと考え込んだ。   「そだよね~何でいたんだろ?」 エトナも不思議に思っているようだ。 「行き遅れか、或いは……」 蒼鬼が呟いた。   「或いは?」 カノンが促す。   「何かに感化されたか……」 「何か、ねぇ」 蒼鬼の意味深な言葉にカノンが溜息をついた。   そうこう話している内にフルフルの死骸がある洞窟に来ていた。   「汝、どうやって倒したんだ?」 フルフルは舌を出しており、煉が舌が黒ずんでいるのを見ながら言った。   「さぁてな?」カノンが肩を竦めて言った。   その後下山した四人は後始末をギルドに頼み、ポッケ村を後にした。   そして三日後、四人はメルチッタに帰って来た。       「だからあの赤い目は何なんだ!?」 「いやーいい天気だな~」 「だからはぐらかすな!あとジジクサいわ!」   ちなみに道中こんな話の繰り返しだったという。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加