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―第二幕―
「ここがお前の部屋か」
煉は俺の部屋に入るなりそう言った。
悪いか?俺はそう聞いてみた。
「別に」
それだけこいつは言った。こいつと息があったのは風翔龍を斬った時だけで、そのままの感じだった。
もう少し愛想よくしてもいいだろ。
というわけで俺は愛想良くしている煉を想像してみた。
『うん、とってもいい部屋だよ❤』
俺が間違っていた。こいつがこんなことを言い出した日にゃろくでもないことになるに違いない。
「何を百面相しているんだ、気持ち悪い」
うるさい、そんなことはしてないはずだ。多分。
「まぁいいけどな、ほら、エトナの部屋に行くぞ」そう言ってとっとと出て行った。
いいのかよ。まあいいか、こっちだ。
そして俺達はエトナの部屋に向かった。あんなことにはなるとは思わなかったんだがな、その時は。
~数時間前~
三日ぶりにメルチッタに帰って来た俺たちはギルドの受付に行き、討伐の確認をし、成功報酬を頂いた。
「俺たちは部屋に行く。そこで飲もう」
蒼鬼がそう言ってギルドから出て行った。
エトナも一緒に出て行く。
お前はどうする?
俺は煉に軽く聞いたが、帰って来た答えは想像していなかった。
「私は部屋なぞ持っておらんぞ?」
流石に俺もクラッときた。
部屋が無いって?
俺は思わず聞き返した。
「マジか?」
「マジだ」
それからが大変だった。
こいつの部屋を用意してやった。
部屋の登録をし、取りあえずその部屋に向かう。
「まぁまぁだな」
そうかいそいつは良かったな。
だが開口一番がそれかよ。
アイテムポーチをベッドに放り投げる。
いきなりぞんざいだしな。こいつ感謝してないだろ。
「ついでだしお前の部屋も見ておくか」
ついでなのか。
まぁいいが。
こっちだ。
とゆう訳で始めに戻る。
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