―第一幕―

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「ふーん……」 カノンはやはり投げやりに言う。   「ん?なんだ、それしか言えないのか?」 彼女は若干馬鹿にした様に言った。   「あ?んなわけねーだろ!……もしかしてあんたが煉か?」   彼女は頷いた。 「あぁ、そうだ。まさか、お前が同行するのか?」 「ああ、あと二人俺の連れがいるが……?、どうした?」 「ん?いや、何でも無い。そうか、お前とか…」 煉は物思いに入っていた。   『なんなんだ?こいつ?まぁいいか、にしてもアイツら遅いな…』 そう思った矢先、酒場のドアが勢いよく開いた。   「ありゃ?やっぱりあたしたちの方が遅かったか」 「らしいな」 男と女が入って来た。男はクシャナシリーズに身を包み、龍弓[日輪]を背負い、女はグラビドUシリーズを纏い、ライトボウガン[テイルストリング]を肩に掛けていた。 「遅かったな、二人とも」 カノンが挨拶する。どうやら件の連れらしい。   「まぁね、弾丸の素材買ったりしてたから」 女、エトナが言った。 「オレは少しこいつに買い出しを手伝わされてた、で、そいつは誰だ?」 男、蒼鬼が聞いて来た。 「ああ、こいつは…」 「私は今回のクエストを張り出しておいた煉だ」 「……と、言うわけだ。仲良くしてくれよ?煉」 言われた本人は『当然だ』という様な顔をして、こう切り出した。 「私達はこれから<フラヒヤ山脈>に向かう」 煉はそう切り出した。
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