†Ｏｒａｔｏｒｉｏ†

木々彩られし豊穣祭

僕は今、村人達のざわめきを横耳に自分の屋敷で準備をしている。

母が僕の為…この豊穣祭の為に作ってくれたドレス（男の僕が着る物にドレスと名を付けるのも少し抵抗があるが）も僕が袖を通すのを今か今かと待って居た。

スタンドに掛かっているそのドレスは、美しい純白のシルクをふんだんに使い、電気の下でもキラキラ輝いていた。

脇の辺りから流れる様にラインが広がり、スカートには沢山のひだが重なって居る。
劇場や宮殿で歌う少年合唱団達も、此処まで美しく優雅な衣装は着ないだろう。