薔薇の彩る庭園より

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おっと…いけない。 少し話が脱線してしまった事をお詫びしなくてはね。 僕には何故、昔の名前しかないのか。 そして何故80年程前から時間が凍り付いてしまったのかをお話しましょう。 先ず、皆様に知って置いて頂きたい事があります。 率直に言いいましょう。僕はヴァンパイアです。 約80年前…僕が12歳の誕生日を迎えて一週間もしない時。 クレハドールと言う男にヴァンパイアにされたのだ。 いや、「された」と言うと誤解を招きそうだね。 僕がヴァンパイアになったのは、自分の意思だったのだから。 え?何故かって? そりゃ確かに始めは…僕もヴァンパイアが恐ろしくてたまらなかったさ。 しかし実際に出会って見ると…母や父、近所の人や司祭様が言っていたモノとはまるで違っていたんだもの。
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