593人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、良く出来ましたー。隼人もたまには役に立つじゃないか」
一声でクラスを黙らせた隼人を、お得意の気抜け声で褒める。
隼人はイシイを睨みつけた。
「かっかするなよ隼人。ではホームルームを終わりにします。バッグは各自教室を出る時に取るように。五日後、頑張れよー」
それだけ言うと、イシイは教室を出た。
「クソッ!」
隼人は乱暴に机を蹴り飛ばした。
「祐君…怖いよ……」
「大丈夫……。大丈夫だから…」
祐介はある事が気にかかった。親友の海と、『大島憲一』の事だ。
海は同じ学校の三組(祐介は一組)だが、憲一は違う高校に通っている。早く連絡をしなくては…。
祐介が二人分のバッグと亜由美を連れて校門へ行くと、すでに海が待っていた。
最初のコメントを投稿しよう!