3年前の、悪夢

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海は祐介を見つけると、手を振った。その手には、もちろんAEPウォッチが付けられていた。 「遅かったな」 「うん…」 「憲一には連絡とった。今こっちに向かってる」 普段無駄に明るい海も、今までに見たことのないくらいに暗かった。 「ありがと。それより、これからどうすれば…?」 祐介の質問に、海は表情を曇らした。 「祐介ー、海ー!」 二人は声のする方を見て、手を振った。 坂の上まで自転車で来たせいか、憲一は息を切らしていた。 憲一は野球部に所属している。身長180センチ、体重80キロと大柄で、メガネをかけている。テニス部に所属している二人より、力は強い。 そんな憲一を見て、綾は祐介の後ろに隠れた。 「こんちは、綾…さん?」 憲一は精一杯の優しい声で言った。綾は、ちょこんと頭を下げた。 「綾、これが前に話した憲一。見た目恐いけど優しいよ?」 祐介を信じたのか、綾は後ろから出て来た。 「よろしく……お願いします」
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