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「これで四人か…」
海が呟く。
「それがどうしたの?」
祐介が問う。
「いや、俺の友達でAEPに参加した奴がいてさ……。まぁ二日目で死んじゃったんだけど…」
場の雰囲気が一気に暗くなった。
「そいつから聞いたことなんだけど…」
「なんだよ、勿体ぶんなよ!」
「俺らの知らないルールがあるらしい。例えば、一つの都道府県につき始めは500人で俺らを殺そうとするんだけど一日毎、つまり、24時間経過につき300人を追加してくる。その兵隊は一般公募で集められて、俺ら一人につき30万を賭けてる」
「それって……」
綾が全てを言う前に、祐介は悟った。
「俺らの命は30万って事??」
「あぁ……。実際、それ(賞金)が欲しくて参加する奴もいるらしい」
「畜生…」
憲一は地面を蹴った。
蹴り上げた砂が、海の真っ黒な鞄に降りかかった。
「あ!海わりぃ!」
憲一は鞄の砂を掃った。
「別にいいよ。支給品だし」
「これ、中見た?」
全員顔を見合わし、首を横に振った。
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