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12月。
街はクリスマスで浮かれている。
そこから少し離れた場所にある墓地に、二人は足を運んだ。今年で3年目。
「寒いね…」
一見女の子のような顔立ちで茶髪の青年、『蛭間祐介』が、『大島家』の墓に喋りかける。
もう一人のメガネをかけた長身の青年、『吉野海』は、花を挙げ、ただただ座って手を合わしている。
「あれから3年だよ?早いよね…」
祐介は右の薬指にはめてある指輪を見つめ、今にも泣きだしてしまいそうである。
「そろそろ行くか、『祐介』?」
海が立ち上がり、祐介に聞いた。
「行こうか…」
二人の青年は墓の前を後にした。
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