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12月24日、クリスマスイブ早朝。
イオンはサンタクロースの衣装に袖を通した。プレゼントを配る時の移動手段は、ソリなんて不便な物は使わない。家に代々伝わってきた乗り物で全世界にプレゼントを配るのだ。
もちろん無料でやる訳ではなく、国単位からサンタクロースの依頼が来て、それに応じてプレゼントを配るのだ。
イオンの受け継いだ家業はサンタクロースという大変な仕事だが、この一日を乗り切るだけで2億円の報酬がもらえるのだ。
昔はこれほど値が付く仕事ではなかったが、サンタクロースを継ぐ者がイオン一人だけとなった今、ここまで値が上がっている。
「――――うし!」
自分自身に気合いを入れ、仕事の準備を始めた。隣にあるソファには、メリアが静かに寝息を立てて寝ている。
「……行ってきます、メリア」
メリアの額に、そっと口付けた。
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