一日勤務、日給2億

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急がなきゃ―――― 吹雪の中、イオンは必死に自転車を漕ぐ。もうすぐ日付が変わってしまう。 時計ばかりを気にして、サンタクロースの衣装に雪が降り積もっているのに気づいていない様子だ。 「着いた――――……」 あと一分でクリスマス。そんな時に、イオンはようやく目的地に着いた。 マフラーを丁寧に巻き直し、家のドアをノックする。手元には、小さな可愛くラッピングされた箱が…… コンコン…… ノックの音が町に響く。 「……はい?」 不安そうな声と共に、かわいらしい少女が顔を出した。 少女の顔を確認すると、イオンはそっと、包みを彼女に突き出した。 聖なる夜に、キリストの誕生を祝わないなんて勿体無いぜ? 君の歪んだ記憶はこの俺が、とっておきのプレゼントと一緒に、綺麗に消してあげるから――――…… 「なぁメリア、サンタクロースって居ると思うか?」 ……END
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