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「――――ところで皆、プレゼントは持ってきたか?」
一通り用意してあったチキンやらケーキやらを食べ終わると、直也が思い出したように言った。
このクリスマスパーティーの一番のイベント、プレゼント交換だ。
一人一人予算1000円でプレゼントを用意し、くじ引きでそれを誰に宛てるか決めるのだ。
「じゃあ行きますか、プレゼント交換!」
しばらく台所に消えたかと思うと、創が名前の書かれた割り箸を五本持ってきた。
「まだ中身は内緒だよ、貰ってからのお楽しみー」
「引いた名前の奴のプレゼントを貰うってわけだな?」
割り箸をジャラジャラ擦り合わせながら、創は楽しげに説明をする。
成宮は普段は滅多に見せない無邪気な笑みを浮かべる。
一体誰のプレゼントを貰うのか――――まさに真剣勝負だ。
「那緒の来ますように那緒の来ますように那緒の来ますように那緒の来ますように…………」
「秋良念じ過ぎよ……」
「とりあえず俺はまともなのがくればいい…かな」
「それじゃあ皆一気に引くよ?せーのッ!」
創の手から、割り箸がすり抜けた。
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