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プレゼントの割り当てはこうなった。
秋良が引いたのは創のプレゼント。
創が引いたのは直也の。
直也が引いたのは秋良の。
成宮が引いたのは那緒の。
那緒が引いたのは成宮のだった。
「……げ。なにこれ」
「駄菓子1000円分!!!!」
秋良が包みを開けると、そこには大量のお菓子が。飴やらガムやらスナックやら……
無駄な買い物だ。
「うっわいらねー…」
「あ、麻生……交換しないか!?」
秋良に交換を申し込んだのは成宮だ。彼は秋良の欲しがっていた那緒のプレゼントを持っている。
秋良が断る筈がない。
「いいけどこんな大量のお菓子……あ、アンタ甘党だったね」
「駄菓子1000円分とか、一度やってみたかったんだ!」
無邪気に笑う成宮が可笑しく、秋良はその後30分は爆笑していた。
「直也、秋良のプレゼントはー?」
「あ?コレか?」
秋良から受け取った小さな箱。創はそれが気になって仕方なかった。
「開けてみるか――――」
丁寧に包装紙を剥がし、箱を開けるとそこには――――
「……秋良、これは一体……」
そこに入っていたのは、梅干し。
「一粒1000円の高級梅干し!一度買ってみたかったんだぁ!」
幸せそうに笑う秋良を、なんとなく怒鳴れなくて、直也は黙って梅干しをしまった。
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