一日勤務、日給2億

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西暦20**年、12月23日。 クリスマスイヴを前日に控えたこの小さな町は、いつになく賑わっていた。 小さな赤い長靴を履いた女の子が、元気に声をあげて走っていく。 歩道は白い雪に埋め尽くされ、周りの木々はきらびやかに飾られていた。今にも雪を落としてきそうな曇空は、地面と同じくらい真っ白で。 その白い空を、一人の少年が窓から見つめていた。 薄い金髪に白い肌、あまりにも華奢な体格は男とは思わせない。黄金色の瞳は細められ、どこか疲れの色が見える。 彼の名はイオン、43代目を受け継いだ正式なサンタクロースだ。
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