92人が本棚に入れています
本棚に追加
「イオン!開けてくれ!」
ガタガタと、部屋のドアが激しく揺れた。慌ててメリアが開けにいくと、色とりどりの荷物を抱えたおじいさんが立っていた。
「いやイオン、どうも遅くなってしまって……業者の方の手違いで手こずってしまってのう――――お、これはこれはメリア嬢、お久しぶりですな」
「こんにちは、ロメオ爺様」
「いや、見ないうちにまた綺麗になったの」
「あはは、ありがとうございます」
ドサリと荷物を床に置き捨てると、ロメオ爺さんは椅子に腰を下ろした。
「イオン!茶!」
「待てよ爺さん!今やってるっての!」
「あはは」
その後すぐに、大きな物音を立てながらイオンが台所からお茶を運んできた。
「ごめんなメリア、爺さんせっかちで」
「ううんいいのよ」
「そうだイオン、年寄りを敬え」
カップを机に3つ乗せながら、イオンは恥ずかしそうに顔を伏せた。
しかしメリアは楽しそうだった。
毎年12月23日は三人のクリスマス。今年も夜中まで皆で楽しく過ごした。
最初のコメントを投稿しよう!