一日勤務、日給2億

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「イオン!開けてくれ!」 ガタガタと、部屋のドアが激しく揺れた。慌ててメリアが開けにいくと、色とりどりの荷物を抱えたおじいさんが立っていた。 「いやイオン、どうも遅くなってしまって……業者の方の手違いで手こずってしまってのう――――お、これはこれはメリア嬢、お久しぶりですな」 「こんにちは、ロメオ爺様」 「いや、見ないうちにまた綺麗になったの」 「あはは、ありがとうございます」 ドサリと荷物を床に置き捨てると、ロメオ爺さんは椅子に腰を下ろした。 「イオン!茶!」 「待てよ爺さん!今やってるっての!」 「あはは」 その後すぐに、大きな物音を立てながらイオンが台所からお茶を運んできた。 「ごめんなメリア、爺さんせっかちで」 「ううんいいのよ」 「そうだイオン、年寄りを敬え」 カップを机に3つ乗せながら、イオンは恥ずかしそうに顔を伏せた。 しかしメリアは楽しそうだった。 毎年12月23日は三人のクリスマス。今年も夜中まで皆で楽しく過ごした。
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