⑮歳

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早速、男の人は知り合いのお店の店長に会いに行ってくれた。 怖いとか、迷い何て全然なかった。 ただ、お金も家も出来るという安心感があった。 今思えば、変に根性がすわってたんだと思う…。 男の人はすぐに戻ってきた。店長に承諾をもらえたようだった。 だが、制服のままでは行けない。 その日は話しを説明してくれた女の人が家に泊めてくれると言ってくれた。 たった一日、いや、数時間で知らない人達にたくさん親切にしてもらえた事が嬉しくて泣いてしまった。 女の人の仕事があと一時間足らずだったので、近くの公園で待つことにした。 放ったらかしにしていた携帯を見てみる。 友達から何件かメールや、着信があったものの、家からの着信はたったの一件だけだった。メッセージもない。 虚しかった。 でも、家族を捨てる覚悟で家を出た。 だからもう、どうでもよかった。 友達にメールを送ろうとしても全てエラーで返ってくる。 すでに、親によって解約されていたのだった。 完全に無くなった。 家族も、長年の友達すらも… ブランコに座って揺らしながら、ぼんやり空を見てると、女の人が迎えにきてくれた。 家はその公園から近いらしく、歩いてすぐに家に着いた。少し大きいマンションで、目の前にはコンビニがある。 コンビニでご飯を買ってもらい、マンションのエレベーターに乗り込んだ。 玄関のドアを開けると、何とも言えない良い香りが私の体を心地よく包んだ。 二人で他愛もない話しをし、 午前六時前頃、布団の中に入った。 部屋は三つあって、客室、衣装部屋、寝室、の3LDKだった。 パジャマを貸してもらい、フカフカの布団に入ると一気に睡魔に襲われた。 今日一日で色んな事がありすぎた。 疲れていたのか、その日は夢も見ないでグッスリ寝た。
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