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「ああ。出ようとしても、
蔓が絡んで外に出ることができない。
ずっと窓越し、格子越しの空を眺めている。
そんな気がしてならない。」
三人の視線がウーノに集中する。
彼の言いたいことが、わかっているのだ。
だが、それを言ってしまえば、賛同してしまえば、
その先のことまでも見えてきてしまう。
わかるのが嫌だった。
先にその沈黙を破ったのは、フォースだった。
「ね、ねぇ、ウーノ。何を、言ってるの……?
どうしたのさ?いきなり。
いつもだったら、そんなこと言わないじゃん。
それはどちらかといえば、オレの仕事でしょ?」
フォースの言葉に、あわててツーストも参加した。
「そうだとも。何を言っている?
そんなに詩人になりたいのか?
詩なら、ここで書けばいい。」
二人を黙って、若は見ていた。
予感は当たることを確信していた。
だが、それはウーノがやっと、
自分自身で見つけたたった一つの《コタエ》
否定できるわけがない。若はそっと、二人の肩を叩いた。
フォースは今にもなきそうな顔で、若を見ている。
「ウーノ、考え直してよ!!」
「そうだ!われわれは四人揃って四天王!
貴殿がいなければ成り立たん!」
「……すまない。」
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