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その頃自分に敵なんていなかった
唸りを上げる豪速球
捕手が捕り損ねるほどの変化球
バットを振ることも許されず、立ち尽くす打者
ボールを握っている間は、煩わしいことも考えなくていい
グランドは俺のための場所
マウンドは俺のためだけの場所
何も考えずに、ただボールを投げていればいい
寝る間も惜しみ、食事もそこそこに
俺は球を投げまくった
ずっとそうしていたいと願った
ただ―――時代はそれを許してはくれなかった
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