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それは一瞬の出来事だった。
俺は何を思ったかさっきの場所から2M程飛びのいた。
俺がさっき居た場所には………。
ナイフ!!
「あら残念♪あとちょっとのところで避けられちゃった♪」
軽い口調で何かが屋根裏から降りて来た。
それはまだ高校生ぐらいの『少女』だった。
亜麻色の綺麗な髪の色をした少女だ。
「誰だよ?」
「さあ、誰でしょう?」
「ち……ち……ち……ちゃんと答えろよ。」
「答える義理は無いのよ♪」
そういうと一気に踏み込み俺の真正面に来る。
彼女は一気にナイフを右手に持ち左肩の上に掲げた。
「…………!」
一瞬あのナイフがどう動くかの『流れ』が分かった。
あのナイフは左肩の上から俺の喉元に向かう流れ………。って何!?
喉元!?
そう驚愕している隙に少女のナイフが動き始めた。
ヤバッ!
俺は一瞬で流れから体を反らし避けた。
『案外凄いのね♪』
ペースが上がる。
ひぇぇぇ!
少女が連続でナイフを動かす。
その度その度にナイフの動く『流れ』が見えた。………気がした。
少女は完全に俺の喉元狙いだ。
俺は避けながら次第にキッチンへ向かった。
よし………ここなら……。
俺は再び少女の『流れ』を読み(本当に読めたかは定かではないが……)ナイフを避ける。
そしてそのままの動作で次のナイフの流れのラインにタイミングを合わせ、キッチンで拾ったフライパンを少女のナイフにぶつけた。
少女のナイフは綺麗な孤を描き宙を舞う。
3M程離れた場所でナイフが落ちる金属音がした。
更に俺は頭上にフライパンを掲げ少女の頭を殴る。
殴った後、急いで玄関へと向かう。
逃げるのだ。
この『状況』から。
玄関へ向かうべく少女を跨いだ俺の足にズブリと鈍い感覚と痛みがした。
腿をみると………。
「う………………うわぁぁぁぁぁぁ!」
俺の腿は………。
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