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「マスターの言った通り。来てたんだね。マスターに頼んでいて良かったー。」
「香織か……。もしかしてこの一連の事件の黒幕はお前か?」
香織は俺のまぁいわゆる恋人にあたる。
「そだよ。」
「何でこんなことしたんだよ?」
「うぅん。毎年宮間君って通常国会終わったら苛々してるよね?」
「ん……確かにな。」
「それでね。愚痴聞いて上げようかなーって。」
香織は何でも御見通しみたいだ。
俺は確かに愚痴を聞いてもらえる相手を探していた……。
「まあとりあえず飲むか?俺がおごるよ。」
「じゃあ私はお酒飲めないからオレンジジュース。」
香織が言うので俺はマスターにカクテルとオレンジジュースを頼んだ。
「はいよ。じゃあちょっと待ってろ。」
マスターはそういうとグラスにオレンジジュースを注ぎその後俺のカクテルをシェイクし始めた。
ちなみに香織にお酒を飲ましてはいけない。
酒癖が酷く、前マスターのカクテルを一口飲ましたら有り得ない酔い方をして困った事がある。
香織はまだ美しい成人女性から程遠い少女っぽさを残した女性だった。
「そういや香織。誕生日いつだっけ?」
「ん?誕生日ー?えーっと……。3日後。」
そうか……。
もうそんな時期か。
「次で27だな。もう少女なんて言われないようにしろよ。」
「少女なんて言われてないよ。」
「くくっ……。お前は少女だよ。」
そんな他愛のない会話をしてるとマスターが注文の品を持ってくる。
「はいおまっとうさん。」
「ああ。サンキュー。」
「ありがとう。マスター。」
「今日は閉店にして貸し切らせてやるよ。」
「おっ!マジか?マスター。」
「ああ。何なら泊まって行けよ。香織ちゃんの分の布団もあるからな。」
「助かるぜ。」
「貸し0な。」
ハッ!
しまった。
俺はマスターを殺るために来たんだった。
まあ良いか。
香織やマスターと一夜通して語り合えるならな。
その後その酒の席にマスターも交えて俺達は政治について語り合っていた。
これから先。
待っている地獄等全く知らずに。
「…………。」
俺が酔い潰れ香織が風呂に行った時マスターが小さな声で何か言ったのを俺は聞き逃さなかった。
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