12月23日

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すももは深呼吸した。 どこから話そうか、整理したかったからだ。 「ここじゃ……話しにくい……かな」 「……。場所、変えるぞ」 氷室は、すももの手を引っ張って、あまり人通りのない、公園へと連れて行く。 すももはその氷室の手にぬくもりを感じた。 「……」 すももはサンタ一族について話すかどうか考え、氷室には知っていて欲しいという事で話し始める。 「私の家は、サンタなの。驚く……よね……いきなりこんな事言っても」 当然だろう。 「姫野……」 お前、頭打ったか?そんな事を問われるのは嫌だった。 「あ……やっぱりいい……。聞かなかった事にして」 「姫野。逃げるな」 まっすぐすももを見ている氷室に対し、すももは視線を逸らしーー氷室の注意で再び氷室と視線を合わせるしかなくなる。 「ぁう……」 「俺はお前が話し終わるまで何も言わない」 「……」 冷たく言い放った氷室に、すももは一瞬動揺し、安堵した。 とりあえず、氷室は自分が話し終わるまで、真意を見極めるつもりなのだろう。 「……サンタさんっていうのは世界中にいて……サンタはサンタ同士で結婚しなくちゃいけなくて……。伊織君が一族の事情で転校してきたのは、この為だったんだ……」 「……」 ピクリとも反応しない氷室を見ていると、不安になる。 「私は……他に好きな人がいて……婚約するなら、好きな人とがいいの……。伊織君は、嫌いじゃないけど……恋じゃないというか……」 「今日、伊織君に結婚の事いろいろ聞かれて……。キスされた……」 「!」 氷室が一瞬反応する。 「その後伊織君に聞いたの。伊織君はお父さんが決めた婚約相手だから私と結婚するのかって……。そしたら頷いた」 「……」 氷室は内心かなり頭にきていた。 伊織に対して、怒りを覚える。
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