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カラカラと喉を鳴らし、威嚇するバゾー。緊迫した空気が辺りを包む。リオレウスも相手の力量が解っているらしく、珍しく出方を見定めている。互いに警戒している為、彼らにはたった数秒が何分かにも感じられるのだ。
その時、先に動いたのはバゾー達だった。白銀の刄が相手の身体を引き裂かんと光る。狩人は素早く腕を振るい、翼へと斬撃を仕掛けた。だがリオレウスとてぼんやりしていた訳では無い。素早く翼を引き、斬撃をかわした。直後、腕を振りかぶって隙が出来たバゾーに飛竜の牙が迫る。
「っだらああぁぁあ!」
その牙が狩人の身体を貫く事は無く、代わりに鈍い音と共に己の口には大剣が有った。細かい牙が二、三本音を立てて折れ、地面に飛び散る。だが重厚な大剣の勢いは止まる事は無かった。アレンは奴の顔ごとアッパーブレイズを振り抜く。ミシミシと彼の身体に衝突の衝撃が走り、骨と筋肉が悲鳴を上げた。だが彼はそれを物ともせず飛竜の顔をぶっ飛ばす。リオレウスの首が思いっきり右へ曲がった。奴の口から生暖かい鮮血がほとばしる。
「アレン…中々ヤルナ…。」
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