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バゾーは一頻り叫んだ後、ゆっくりとアレンの元へと歩んで行った。
「………。」
体温を仮面で何度スキャンしても冷たいままだった。アレンはもう息が無い。バゾーは悔しさと哀しみの籠った溜め息を一つ吐いて、彼の遺体を整えた。
(すまないな…何度も助けられたというのにお前を助けられなかった)
ふと足元に目をやると、空になった閃光玉の瓶が有った。
(さっきだって朦朧とする意識の中、瀕死の身体に鞭打ってコレを放ったんだろ…?すまないな………一度、手合わせしたかったよアレン)
彼は暫しの黙祷の後、その場から離れた。
「…アレン、コノ剣…貰ッテイクゾ…。」
彼はそう言って、地面に突き刺して有ったアレンの形見であるアッパーブレイズを引き抜いた。
それから暫く後、森に停泊中の宇宙船にて一人のプレデターが武器のチューンをしていた。
「…チッ…リスブレが刃溢れしてやがる……照準も…多少イカれてんな…。」
彼は一人でブツブツと愚痴を言いながら武器を修理していた。そんな彼は、バゾーより複雑な構造の仮面を装備している。ケルティックと呼ばれるタイプの物であろう。
その時、突如入口のオートドアが開いた。
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