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狩人が目にした物、それは巨大な化物だった。紅い鱗、巨大な翼、そして彼が今まで見てきた中でも屈指の大きさの堂々たる体躯。彼はそれに畏怖の念を感じざるを得なかった。
(アレがリオレウスとやらか…デカイな…4、5m程といった所か…。そして口から火が漏れている…火炎を吐くのか?)
化物について観察していると、突如アレは彼の方を見た。ハッキリと視線が交わる。その途端、彼は背筋がゾッとするのを感じた。
(…うっ!!何だ…この悪寒は?気付かれてるのか…?)
「ギシャアアァアァァア!!」
「あれ!?」
狩人に向かって走り出すリオレウス。身の危険を感じた彼は直ぐ様木に向かって跳び、枝の上へ着地した。標的を失った化物は壁に激突する。
一方、少年はリオレウスの不可解な行動に呆然としていた。奴が何も無い場所に突っ込むなど過去に見た事が無かった故に。
(フゥ、危なかった…。嗅覚が優れているのか…流石に匂いまでは隠せんしな…気をつけるか)
「???…な、何か解らんけど今のうちに回復薬を…。」
余裕が出来た為、回復薬を一気飲みする少年。直ぐ様身体が楽になるのを感じた。
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