戦士と火竜

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顔面に槍を突き立てる。だがしかし、強固な堅殻に阻まれて大した傷を負わせられない。   (ぐっ、クソッタレ…!)   その直後、竜の突進を受けてリオレウスの後ろへ弾き飛ばされた。宙を舞うバゾーの身体。数m飛ばされた所で落ち、勢いでそのまま転がっていく。   「グ、ガァ…。」   (あ…脚が…折れた、か…クソ、アイツかなり堅いな…スピアで貫けないなんて…。)   リオレウスは更に次の相手に切り替えた。アレンと視線が合うや否や走り出す竜。   「うおぉぉ、来やがるか!良い度胸だ!オラ、来いや!」   大剣を盾の様にして身構える。そしてその直後、凄まじい衝撃が走った。余りの威力に骨が軋み、筋肉に痛みが走る。   「っく、うおおおぉぉぉらあぁああ!」   アレンは竜の足元に潜り込み、力一杯大剣を振り上げて比較的堅殻が少ない腹の下を切り裂いた。アッパーブレイズの牙が堅い筋肉をえぐる。   「ギャアアアァァアアゥウ!!」   悲鳴を上げるリオレウス。アレンは吹き出す血を前身に浴びた。   「どんなもんだオルァア!」   腕を振るい、目一杯叫ぶ少年。バゾーは痛みを感じながらもそれを見つめていた。
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