57人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな情けないチャールズにも、唯一仲の良い友達が居た。
彼女の名前はシェリー。
ブロンドの髪と、青い綺麗な瞳が特徴的な女の子だ。
彼女とチャールズは毎朝花壇の手入れをする。
ソレが彼等にとって、とても幸せな日課なのだ。
―――
「チャールズ!!もうすぐでクリスマスね!!楽しみだわ!!」
「う~ん…でも僕、怖いなあ…」
「何故??クリスマスといえば、プレゼントやごちそうだって出るじゃない!!」
「そっか、シェリーは知らないんだね、」
この土地の言い伝えを…。
そう…
チャールズ達の住むこの土地には…恐ろしい言い伝えがあった。
ソレは
永久に語り継がれる言い伝え
―――
クリスマスの夜、とあるおじいさんは子供達にこう言い聞かせた。
「赤いサンタはね、正直で優しい良い子の前に幸福を沢山持って来る。
でもね、ようくお聞き??
悪戯ばかりして、お母さんの言う事をきかない悪い子の前には、
全身が黒ーい黒ーいそれでいてフードを被った怖いおじいさんが
子供をさらいに来るんだよ??
大きな 大きな 白い袋を持って…」
そうしてそのおじいさんは、ニッと笑った。
黒い黒い服にその身を包んで…。
―――
「そんな言い伝えがあるの??」
「うんっ…!!だから僕、毎年クリスマスが怖くて怖くて…!!!それに…」
身震いする程、チャールズは恐怖心を現にしていたのが、鈍感なシェリーにさえも分かった。
「どうしたの??そんなに怖がらなくても、たかだか言い伝えでしょ??」
シェリーがそう言った後、チャールズは重い口を開いた。
「僕…
見ちゃったんだ…
黒い 黒い サンタクロースを…。」
クリスマスまで、あと4日
最初のコメントを投稿しよう!