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鬱蒼と樹木の生い茂る密林。
世界すら呑み込んでしまいそうな空間に爆音が響き渡る。
それと同時に複数の樹木が倒れる音がする。
密林の中をジークが駆け抜ける。
「ちっ…。」
はぐれたか…。
苦々しい気分を唾ともに吐き出し、速度を緩めずに後方を振り返る。
彼の目は樹木を薙ぎ倒しながら追いかけてくる巨大な物体を捉える。
それはくすんだ赤い鱗に覆われた生物――通称、竜と呼ばれる怪物である。
あんなん絶対幼竜じゃねぇよ!?
内心そう叫びながらジークは前方に顔を戻す。
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