始まり

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マンションの一室で青年が荷物をまとめていた。 青年は淡い橙色の髪を肩の上辺りまで伸ばしている。 背は平均より若干高く、それなりに細いが引き締まった身体つきをしている。 バッグに必要最低限の荷物を詰めて青年がそれを手にした。 「俺は…同じ過ちを繰り返さない。」 まるで自分に言い聞かせるように呟いた。 その声色には深い哀しみが含まれていた。 しばらくどこか虚空を見つめていた青年は静かに部屋をあとにした。
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