573人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ行ってくる。帰りは夕方になると思う。」
「はい。行ってらっしゃい。」
新婚夫婦のようなラブラブっぷりに浸る間もなく家を出る時間になる。
仕事先は近くのコンビニ。
恥ずかしながらアルバイトだが。
手を振り俺を送り出してくれる儚の姿が、閉まる扉によって見えなくなった。
さて…、頑張ってきますか…。
アパートの鉄の階段を、カンカンと音をさせて降りてバイト先へと向かった。
「おはようございます…。」
「おう、おはよう。」
9時ギリギリにコンビニに着いた。
仕事着に着替えて店長に挨拶をして仕事に入る。
…儚に何をプレゼントしようか…。
やっぱり大きいケーキか?
でも何か形に残る物をあげたい。
ぬいぐるみとか喜びそうだな。
大きいクマのぬいぐるみ。
万能包丁とか…?
儚、料理好きだし。
…でもクリスマスにあげる物じゃないな。
俺は商品のお菓子を陳列棚に並べながら考えていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!