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「僕…、由良さんの所に来るまで普段外なんて出た事ありませんでしたし雪なんて触った事もありませんでしたから。」
そう…僕は性奴隷…だった。
ご主人様にどんなに酷くて辛い行為を強いられても堪えられた。
"心"がなかったんだ…。
でも、もう泣く事だって忘れてた僕の中の片隅にあった"希望"に、僕は縋ってご主人様のお屋敷から逃げ出して…。
由良さんと出会えたんだ…。
手の上の雪が水になっていく。
固まっていた僕の心が解けていくような…。
僕がこんな話を始めたからか、由良さんが心配そうに僕の事を見てくれていたから、僕は心配させないように笑ったんだ。
"もう昔の事ですよ"って―…。
すると、由良さんは僕の前髪をそっと掻き上げて口付けた。
「ゆ、由良さん…っ!?」
僕はいきなり過ぎてびっくりして思いっきり由良さんを見上げた。
心なしか由良さんが笑っている。
顔が真っ赤になるのがわかって、余計に恥ずかしくなった。
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