プレゼント-儚side-

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  そうだクリスマス、由良さんに何をあげよう…。 いつもお仕事がんばってくれてるから、お礼もかねて何かあげたいけど…。     お金ないや…。     お金がなきゃ何も始まらない。 どうしよう…。     『皆さん、もうすぐクリスマスです!大事な人へ贈るプレゼントは決まりましたか!?』   声のする方、テレビがそんな事を言っていた。 あるテレビ番組の中の特集のようで、僕はテレビの方へ向かった。     『贈るならやっぱり形に残る物が良いですよね~。』  「そ、そうですよね…っ!」    もうすっかり画面に釘付けの僕は、思わずテレビに向かって返事を返していた。      『そこでこれなんてどうでしょうか!』   アナウンサーの掛け声と一緒に画面に表れたのは、ハートと羽根のモチーフが付いたシルバーネックレスだった。   「これ綺麗…。それにカッコイイ!」     由良さん…、これなら喜んでくれそうっ!」     でもそのシルバーネックレスの値段は5万円。 それくらいの値段なのだろうけど、僕にはそんな大金あるはずはなくて…。   そうだ…!   考えが閃いたものの、焦げ臭さから慌てて台所へ向かった。
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