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儚はくるりと身体をこちらに向けて俺に抱き着く。
「由良さんはご主人様だった人達とは違います!由良さんは……由良さんは僕の恋人だからっ!!僕も由良さんが好きだから!!」
そう言うと、儚は俺の首に腕を回して口付けて来た。
好き
好きだ
好きだけど
好きだから
このキスでたくさんの事が伝わってくる。
口唇が熱い
顔が熱い
頭がボーッとする
きっと思いっきり泣いたから
深く深く深く
熱く舌を絡ませて
離れると俺達の顔は真っ赤で、今誰かにこの顔を見られたら"風邪?"か"酔っ払ってるの?"って言われそうだ。
「儚、俺も頑張るけどきっと俺の稼ぎじゃ儚の欲しいものはいつまで経っても買えないと思う。だから自分で稼いだ方が良いのかもしれない。」
儚が働く事の楽しさや、辛さを知る事も大事だと思うから。
「はいっ!頑張ります!」
儚は満面の笑みで答える。
今夜は雪も溶けそうな夜になりそうだ。
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