573人が本棚に入れています
本棚に追加
「庶民のクリスマスってどんなんやろうか。やっぱりみんなで鍋つつくんかな?庶民は庶民なりに七面鳥とか頑張って買うんかな?」
すっかり庶民のクリスマスに考えを巡らせる僕に山田君は冷たく恐ろしい声でこう言った。
「そんなに庶民のクリスマスパーティーを味わいたいんなら、目の前の仕事をさっさと終わらせてください。話はそれからです。」
物凄い仕事の量。
クリスマスまではあと二週間。それまでに終われば良い方だ。
まあ、今までサボっていた自分が悪いのだけど。
「ええーっ!!?んな殺生なぁああっ!絶対終わらへんよぉお!!」
ああ、涙が出てくる。
山田君、君がここまでSだったとは…。
僕は泣き言を言いながらカタカタとパソコンのキーボードを叩き続ける。
それでも山田君は完全無視だけれど。
「あ、とりあえず兄さんに連絡入れておこう。山田君、それくらいはええよな?」
ガサガサと書類の山の中から携帯電話を探し出してそれを開くと、メールが山のように届いていた。
サイレントマナーモードで気付かなかったんだろう。
まあ、そんな事はお構い無しで兄さんの家に電話をかける。
最初のコメントを投稿しよう!