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アパートに着いた。
部屋の鍵を開けて中に入る。
昼間から石油ストーブを焚いていなかったから、今まで暖かい所に居た人なら"寒い"と言いそうなくらい寒い部屋だった。
でも、ここよりもっと寒い所に居た俺には、風も遮られるし、少しは暖かく感じられた。
だがやはり、すぐに石油ストーブを焚いた事は言うまでもない。
「由良さん、夕飯の前にお風呂に入りましょうか。先に身体を温めましょう。もうお湯入りましたし。」
「一緒に入るか?」
「えっ!?あ、はいっ!」
きっと俺の言葉に驚いたんだろう。
普段俺はそんな事言わないから。
儚の顔は赤く染まっていた。
まだ寒さが残ってるせいかもしれないけど。
「じゃあ先に入ってるから。」
たんすから下着とか着替えを取り出して、儚の頭をぽんぽんという音が似合いそうな風に叩いて風呂場へ向かった。
全く…。
儚はいつも可愛い反応を返してくるから、可愛すぎて少し困る。
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