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「…もしも『兄さーんっ!久しぶりやねえ!で、本題なんやけど、クリスマス空いとる?空いとるよなあ!?って事で山田君と兄さん家にクリスマスパーティーしに行くさかい。楽しみにしたってや!それじゃ。』
「…ちょ、お前『プツッ』
ツー
ツー
「切られた…。」
全く、勝手な奴だ。
「な、何だったんですか?電話の…内容…。」
儚はビクビク問い掛ける。
やっぱりまだ高良の存在が恐いのか、高良の考えてる事が恐いのか。
「ああ…、クリスマスに俺達の部屋にクリスマスパーティーしに来るとか言ってたぞ。」
俺は高良の考えてる事がわからなくて溜息混じりに儚の質問に答えると、さっきまでとは打って変わって、キラキラと目を輝かせて感動しているようだった。
「…嬉しいのか?」
もし儚が犬だったら尻尾を左右にぶんぶんふっているんだろう。
なんだかそんな風に見える。
「高良様っていうのは恐いですけど、みんなでクリスマスパーティーって楽しそうですっ!」
儚の頭の中が手に取るようにわかる。
儚はとにかくワイワイ騒ぎたいのだろう。
今まで出来なかった事を。
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