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「今日はやっぱり儚さんと過ごすんすか?」
岡田はニヤリと笑みを浮かべてからかうように言った。
「まあ、そうだな…。」
俺はそんな風に言われる事に慣れていないから、照れ臭くて恥ずかしい。
だから、儚と過ごすクリスマスは嬉しいはずなのに、岡田にそんな答え方しか出来なかった。
「俺も恋人と過ごしたいっすよ…。今年も家族でクリスマスパーティーかあ…。」
苦笑しながら溜息を吐く岡田は、"由良さんと過ごしてみたかった"なんて言い出した。
「俺と一緒にクリスマス祝ったって楽しくないって。」
「それでも……ね…。」
俺とクリスマスを過ごしたいなんて物好きもいたもんだ。
それを言ったら儚や高良もそうか。
とにかく、岡田が言いたかった事はよくわからなくて、流すような感じになってしまった。
「ほら、二人共、喋ってばっかりいないで働こうね~。」
店長に注意されて、俺は品出しをする事にした。
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