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他の店に入っても、さっき行った店とほとんど一緒だった。
流れで行き着いた公園の時計を見ると、もう19時になろうとしている。
そろそろ儚も帰って来てるんじゃないだろうか。
はあ…。
一段と大きな溜息が出る。
「オ兄サン、ドウシタノ?」
顔を上げて声の主の方を見ると、そこには外国人男性。
金髪に青い目の東欧系の顔立ちと肌の色。
カタコトの日本語で話し掛けてくる。
「オ兄サン?オ兄サーン!」
無視しても話し掛けてくるので、俺はその外国人がうざったくなって、事のいきさつを話した。
イライラしていたし、話して少しスッキリした。
「ソウダネ…オ兄サン、コレナンカドウ?」
そう言って男が出したのは、綺麗な水晶のような石の付いた指輪だった。
「コノ石、私タチノ国デシカ採レナイ石。オ守リミタイナモノダヨ。オ兄サンコレアゲルネ。」
「良いのか?…お金とか…。」
「OH,オ金イラナイ。相手ノ人ヲ好キナ気持チアレバ良イ。」
「ありがとう…。本当に感謝するよ。」
俺は男から指輪を貰って家に向かって走った。
その男にありがとうって言いながら。
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