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「今日は寒いですねぇ…。」
儚は湯舟のお湯を身体にかけると、その小さな口から「熱…っ。」と言葉が漏れた。
「大丈夫か?少しぬるくしようか?」
「大丈夫です。すぐ慣れますよ。」
白い湯気の中で儚の笑顔が見えた。
妙に色っぽく見える。
「あ、あんまり見ないで下さい…。なんか恥ずかしい…。」
恥ずかしそうに俯く儚の顔はみるみるうちに赤くなっていく。
「ふ…。悪い。」
そんな儚に心を温めた俺がからかうように笑うと、儚はぷくっと頬を膨らませた。
その頬を人差し指でつんつんつついてやる。
儚はくすぐったそうにクスクス笑った。
「お背中流しましょうか?」
「ああ、ありがとう。」
クリスマスが近付く。
儚へのプレゼントをこっそり用意する事にした。
雪が降り出した。
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