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卒業式も無事終わりあたしは和也と学校を出る。
すると、誰かがあたしを呼んだ。
「愛美っ!」
「え?……香奈」
香奈は走ってあたしの側に来た。
「はぁっ…はぁっ…」
「…………」
「愛美…」
「…………」
「ごめんなさいっ!!」
「え…?」
「あの時、写真送ったのはっ……あたしなの!」
「………」
「ごめんなさいっ…本当にっ…ごめ…んねっ?」
香奈は涙を流す。
あたしはそんな香奈に言った。
「もういいの…」
「え?」
「あたしさ、目標できたから後ろになんて気とられずに前に進むのみなんだ」
「愛美………」
「お互い進むべき道は違うけどいつかまた笑い合える日が来るといいね?」
「………うんっ」
「元気でね!」
あたしは香奈に手を振って和也と歩き出す。
「まぁ、お前もよくやるもんだ」
「何が?」
「笑顔で許すなんてよ」
「あぁ…なんとなく気付いてたしね、香奈が送ったんだろうって」
「はぁっ?」
驚く和也。
「じゃ…何で今まで黙ってたっ?」
「言えなかったんかな…きっと、香奈は香奈なりにあたしに間違っていること伝えてくれてると思ってさ」
「いやぁー…そりゃないだろ」
和也は苦笑い。
けど、あたしは笑顔で言った。
「ほら!和也のハニィーが待ってるよ!」
「おっ!じゃぁ、夜にな!」
「遅れんなよ!」
和也は手を上げ東谷先輩の元へ行く。
あたしはというと……
「次は二年後か」
そう呟き走り出す。
そして、助走をつけると
「っ!!」
思い切り太陽に向かい飛び跳ねた。
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