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「うぅ、今日も冷える」 真っ黒なマフラーに、真っ白な手袋をつけた少女が、大きな時計台の前で呟く。 彼女の名前は、早坂未来。栗色のふわふわした髪に、それと同じ栗色の目をした少女だ。 未来は生まれつき体が弱くて、ろくに外も出歩けなかった。 彼女は大きな時計台の下で、誰かを待っているようだった。 「時計台の下に六時って、誰が言ったのよ誰が!」 時計台の針は、すでに30分を指そうとしていた。
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