SとEとX。

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目を覚ませば真っ白な部屋。 鼻をくすぐる消毒薬の匂いで病院だと理解した。 腕を見れば紫色になってしまった腕の跡と、点滴管が目に入って来た。 点滴薬には3/10と荒っぽく書かれている…。 ぼーっとしていると智之が瞼を腫らして病室に入って来た。 私と目が合うなり、腫れる程に泣いた智之はまた泣いた…。 私を見つめたまま、瞼も閉じずに…。 黙って泣いていた…。 私が笑うと恐々と近付いて来て、震える手でこんな私も抱き締めてくれた。 点滴している手を、起き上がれない私を、気遣いながら…。 渡していた自宅の鍵。 セフレだったから。 否、セフレだという事を、ホテル代を浮かす為だと、理由を付けて…。 私の心の鍵を開けれるのは、開けて欲しいのは、鍵を持った智之だった。 ナースコールで看護師を呼び、自由な手で大きな身体を震わせて泣く智之の背を撫で続けた。 医者がライトを私の瞳に当て、まだ瞳孔が開いたままだと苦笑する。 まだ眠たいなら寝ていなさい、と残して医者や看護師たちは四人部屋なのに一人しか居ない病室を出て行った。 優しい時間…。 四本目になった点滴。

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